大和三山・春の風景を染めにして

采女の 袖吹きかへす 明日香風
都を遠み いたづらに吹く
     (志貴皇子

采女の美しい袖を返していた明日香風も、
都が遠のき、今はただむなしく吹いている。

持統8年(694年)飛鳥浄御原宮から藤原宮へ遷都された後、
さびれた古都のさまを歌った皇子30歳頃の歌である。

甘樫(あまかし)の丘に立つと、遠くに二上山が、近くには大和三山天香久山(あまのかぐやま)、畝傍山(うねびやま)、耳成山(みみなしやま)」を見ることができる。

藤原京大和三山を内に含む規模で、古代最大の都であった。




写真は借り物です。

今回はこの大和三山の春の風景を染作品にした。




布は50cm×40cmと大きめである。

先生のデザインをお借りし、糊を置いた布(50cm×40cm)に色を置いていく。
春の明るい雰囲気を出したくて、桜や若草色を多く使ってみる。
細かい図案なので時間はかかるが、桜並木やキャベツ畑などがあり、
染めていても楽しい。

大作なので時間を開けて2回に渡り染めていく。その方が色はよく染まるらしい。




先生のご指導を得て、空もたなびいている感じにピンクをぼんやりと入れているのが分かるだろうか?

何度も色を重ねたので1週間乾かし、しっかりと色を定着させる。
そして水につけて糊を落とす。




             大和三山・春の風景の完成

大和を代表する風景「大和三山」の風景が完成して、とても嬉しい。
季節はこれから冬に向かうが、我が家では今、
春の大和三山が優しくほほえんでいる。

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