当たり前が当たり前でない

ロシアの昔話「おおきなかぶ」
おじいさんがかぶの種をまき、「あまいあまいかぶになれ」「大きな大きなかぶになれ」と言っていたら、とてつもない大きいかぶができた。それで、おじいさんがかぶをぬこうとしたがぬけず、「おばあさん・孫・犬・猫・ねずみ」と順に呼んで来て、最後にやっとぬけたという有名な話である。



話は、息子が小学校1年生だった頃にさかのぼる。

ある日学校から「おおきなかぶ」のテストを持ち帰った。
点数を見ると、間違いが一つあり90点。

どこを間違えたのだろうと見ると、「大きなかぶがぬけた時、みんなはどんな気持ちだったでしょう?」という問題が書かれていた。
答えは「よろこんだ」「こまった」のどちらかに○をつけるのだが、息子は「こまった」を選び×になっていた。

力を合わせてやっとぬけたのだから、当然「よろこんだ」だろう?
絵も嬉しそうに描かれているのに、こんな簡単な問題をどうして間違えたのだろう?

そう思って息子に尋ねると、
「こんな大きなかぶがぬけたら、どうやって食べるか困るやん」と言い放った。

普通に考えたら、みんなで力を合わせてぬけたのだから「よろこんだ」だろう。 でも大きすぎて切るのが大変そうだし、鍋にも入りにくいから・・・
困ったというのも、少しはあるかも知れない?
そう思ったら、正解って何だろうと思った。




人は常識的に物ごとをとらえがちだが、違う側面から見るとまた違う見方が生まれてくる。
同じ方から見てばかりいないで、たまには角度を変えてみるのもよいかも知れない。

20年経った今でも、思い出す出来事である。

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