トクサ

お寺の庭で見つけたトクサ。
生け花でよく目にすると思うが、スギナ(つくし)の親戚でもあるらしい。




このトクサ、触ると思った以上に固い。
茎は表面がザラザラして固く、途中には節がいくつかある。

さて、ここで問題である。
このトクサ、昔は何に使われていたでしょうか?
トクサは漢字で「砥草」と書く事から考えて欲しい。

私は知恩院から来られたお坊さんに、この事を教わった。
昔、舞妓さんが爪を砥ぐ時に、このトクサを使ったというのだ。

トクサを触って見ると、茎がザラザラしている。
爪をこすると磨けそうで、天然のヤスリのようだ。
こんな小さな庭草がと感心して検索したら、まだまだ興味深い使い方が書かれていた。

現代でも、高級なつげぐしの歯や漆器の木地加工・木製品の作業工程などの磨き仕上げに使用されている。
また滝廉太郎は身だしなみに気を遣ったため、トクサで爪を磨いていたことが知られているし、クラリネットなどのリード楽器の竹製リードを磨いて調整するのにもトクサが用いられている。

干した茎は木賊(もくぞく)と呼ばれる生薬で、その煎液を飲用すると目の充血や涙目に効果があるといわれている。

そばに生えていても、見逃しそうなほど地味な植物「トクサ」
それがこんなふうに使われているとは驚いた。

私にとっては、大きな発見だ!

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