置かれた場所で咲きなさい

冬がきたら   坂村真氏
       
     冬がきたら 
     冬のことだけ思おう
     冬を遠ざけようとしたりしないで

         むしろすすんで
         冬のたましいにふれ
         冬のいのちにふれよう

             冬がきたら
             冬だけが持つ
             深さときびしさと 静けさを知ろう・・・

これは、「置かれた場所で咲きなさい」渡辺和子著 幻冬舎(952円)の本に書かれていた詩である。



私はあるきっかけで、この本と出会った。

85才の渡辺和子さんは三十才間際で修道院に入り、カトリック校の学長になられた方である。
聖書の教えを基に、読む人の心に和らぎを持たらすようにと本を出版された。

「冬がきたら」という詩の中の「冬」を「高齢期の冬」を思い読んでみたらどうだろう?
本の中では暖房を入れて冬の寒さと厳しさをまぎわらそうとせず、むしろ進んで冬の魂と冬のいのちにふれるようにと結んである。

老いるという事は、今までできていた事ができなくなり、できたとしても時間がかかるようになることだ。
でも悲しいことばかりでなく、体力や気力が確実に減ってゆくのであれば、本当に大切な事・必要な事を選んでするようになるのだと言う。

私も物忘れが増えたり要領よくできずに時間が遅れたりするなど、老化を感じる事がある。 生きてきた年数分、体の部品は摩耗し痛みも出てくる。

置かれた場所でどうしても咲けない時・・・

       そんな時は無理に咲かなくてもいい。
       その代わりに、根を下へ下へ降ろして、根を張るのです。
       次に咲く花が、より大きく、美しいものとなるために

この言葉に勇気を貰い、老化だけでなく、冬を恐れず正面から向き合える自分になりたい。

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