悲喜交々(ひきこもごも)

病院に行くと、色々な人生模様が垣間見れる。

昨日は、退院するお舅さんを迎えに行って来た。
詰め所前の面会室でいたら、否応なしに話し声が耳に入ってくる。
やって来る患者さんは、たまたまシニアの男性ばかり。

Aさんは詰め所を覗き、
「ここは美人揃いやなぁ〜」
「そんなこと言ってくれるのAさんだけやわ」
笑っている看護師さんは、まんざらでもないようである。

続いてやって来たのが、外出届けを出しに来た車イスのBさん。
「今から家に帰ります。」
「家は、いいやろうね。ゆっくりして来てね。」
「はい。外出だからまた帰って来ます。ここは刑務所みたいや、あっ違った病院や・・笑」 ユニークな患者さんだ。
車イスを娘さんらしき人に押して貰っているが、悲壮感が無い。
看護師さんと明るく話す様子に、ちょっと救われる。

看護師さんに世話をして貰うと、必ず「有難う」と言うお隣さん。
親しい人に人生訓を筆で書いて貰い、枕元に置いてある。
誇らしげに話すCさんは、今日珍しく饒舌である。

退院すると聞いて、お舅さんと同じ手術をした人が覗いてくれた。
「静かだから退院したのかと思った・・」
私ひとりだったので話をすると、少し遅れてお舅さんと同じ手術をした患者さんのようだった。
病状の経過を説明してくれたのだが、傷口がもうちょっとなので退院が延びているらしい。
それもお舅さんの手術経過と全く同じだ。

「もうじき退院できるでしょうから、養生して下さいね。」
「エレベーターまで見送りたいけど、傷口がこんなんだからどうか勘弁下さい。」



人生色々、悲喜交々(ひきこもごも)
病気という闇の中でも、決して光を忘れない。
病院は、様々な人生模様を垣間見ることのできる所かも知れない。

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