幸せの見つけ方

「もし昔に戻る事ができたなら、何歳の頃に戻りたい?」
そう尋ねられたら、あなたは何と答えるだろう?

50〜60代の友人3人に尋ねると、3人共が、「昔になんて戻りたくない。」と言う返事。
人生をたっぷり生きてきて、今さらやり直すことなんて考えられないようだ。
「20歳に戻り違う人生を歩んでみたい。」と言う私に、「あなたはまだ若いわ〜だから戻りたいって思うのよ。」と返されてしまった。

それを実現したかのようなドラマが30日に放送された。
「リセット〜本当の幸せの見つけ方〜」
今の人生をリセットし、17歳に戻ることができたなら・・・
別の人生を経験することで、幸せをつかむことができるだろうかというストーリーだ。



主人公の知子は、ある日同級生の薫・晴美と不思議な再会を果たす。

知子は同級生と結婚し、亭主関白な夫に仕え、夫婦間に不満を感じている専業主婦。
薫は勉強やスポーツができたので、結婚より仕事を選び認知症の母親と暮らしている。
晴美はスナックをしていた母親と同じ道を歩み、乱れた今の自分に未練がない。

そんな40代の3人が、内面はそのままに28年前にタイムスリップして、当時かなえられなかった願いを実現しようとする。

知子の夢は女優になること。
専業主婦と違って自由と可能性があり、ずっと見つめられ褒めてもらえる。
元同級生の夫を好きだった薫に譲り、女優になる夢をかなえる。



45歳になった知子は、お金には困らないし自由であるが、一流女優にはなれなかった。
ある日舞い込んだ主婦の役で、かつての自分が重なり家族の温かみを思い出す。そして専業主婦の面白くなかった生活が、ふと懐かしく思えてくる。

薫は知子の夫と結婚し、ブティックを経営している。
共稼ぎで子どもがなく家事は分担しているが、夫は失業中で薫のことを恐がっている。
憧れだった結婚生活が、甘いものでない事を経験する。

晴美は夢だった大金持ちと結婚し奇麗になるが、何でもしてもらえる生活が窮屈で子どもが好きになれない。
虐待なのか、6歳の息子を姑に預けることとなる。
無限の選択肢と可能性にあふれて見える青春も、いざ戻ってみるとそれほど甘くはない。

前の世界で3人が再会した45歳が、新しい人生の決算日。
元に戻りたいと望めば、前の世界に戻れる。
結局3人が選んだ人生は・・・元に戻ることだった。

「人生で大事なのは、何をするかではなく、どんな気持ちでするかよ」
知子の言葉が心に残る。


手に入れられなかった夢は、心残りとともにいつまでも輝き続ける。
しかし別の人生を経験すると、現在の幸せに初めて気づく。
平凡な暮らしの中にある幸せは、自分の心の有りようなんだと感じたドラマだった。

.entry-content { font-size:18px; }