母の力

フィギュアスケート全日本選手権は、素晴らしい演技に魅了された大会だった。
ソチ五輪出場がかかった試合なので、選手たちの緊張感が漂っていた。
久々大舞台に出る安藤美姫ちゃんの姿もあり、ベテラン選手たちが顔を揃えたことになる。

アスリートは技術面はもちろんのこと、体調管理と強い精神力が求められる。
たとえ一流選手であってもスランプはつきもののようで、常に自分との葛藤が求められることだろう。

鈴木明子選手が「オペラ座の怪人」を滑っている時、会場に来ていた母親の姿がテレビに映った。
背すじをピンと伸ばし、一点を見つめる和服姿の女性。
今まで娘の演技をエキシビジョンでしか見れなかったが、今回初めて会場に来たと放送していた。

彼女も回転が上手くいかず悩んだ時期もあったらしいが、母のひと言が背中を押したようである。
              「私のために滑って頂戴」

そして・・・あきらめないで夢をつなぎ、五輪出場を獲得した。




母の言葉が人生の転機になった話は、よく耳にする。
特に芸能人やスポーツ選手など、一流になる人ほどエピソードが多い。
この親にしてこの子ありという所だろうか?
母の力とは偉大である。

そんな尊敬できる母親にほど遠い私。
何かひとつくらい心に残るような母親でありたいと、試合を見ながら思っていた。

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