当屋

当屋(とうや)が我が家に回って来る。
当屋とは、村人が氏神をまつる神社の祭礼にあたり、神事や行事の主宰者となる家のこと。 40軒ほどが半年交代なので、20年ぶりである。

8日、秋に当屋を受けていた家から我が家に社(神棚)が移される。
それは大字の代表9人と神主さんによって祭られる。
その後、2ケ所ある神社にもお供え物を持って参拝する。

4月に入ってからは、その準備に追われていた。
20年程前に引きうけて以来なので、紙を見ながらのだんどりとなる。

まず障子の張り替えをした。
それは障子やさんに頼んだが、紙を新しくしただけでうす暗かった部屋が明るくなった。 これで半年間、3段飾りの社も気持ちよく祭られるだろう。

暖かくなり草が生えてきたので、庭の草引きもした。
こんな行事でもないと家を一掃しないので、これもまたいいかも知れない。

後は灯篭の紙の張り替えや、お供え物のだんどりだろうか・・・
古い紙をはがして、全て新しい紙に張り替えた。

春の祭典は、田畑の豊作を祈念する。
本社と当屋に、海の物(するめ・昆布)山の物(葉つき大根・椎茸・なすび)果物(りんご・バナナ)酒などを供える。
もちろん、洗い米と塩・餅も供えなければならない。
でも、これでほぼ準備が整った。

8日の午前中は、大字の9軒で氏神さんの掃除と祭典の用意をする。
大きな行事でもあるので、その日を迎え気ぜわしい。
半年間は月に2回、本社と3ケ所の神社の掃除をする事となる。

田舎暮らしは自然いっぱいで良いが、生活していくには地域への協力が必要である。 田舎は行事が結構あるし、おつき合いも丁寧。
歴史ある地域なので伝統を受け継ぐには、住民の協力が不可欠だ。




ただ、今はシニア世代の私たちがしているが、この先どうなるかは危惧する所である。 若者は都会へ出ていき、村に住んでいる人は少ない。
我が家も例外ではない。

とりあえず、無事当屋を引き受けたいと思っている。

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