かわいい〜

新聞のひととき欄に、母親からの投書が載っていた。

2才5ケ月の長男に「かわいい」と言うと、すかさず「かっこいい」と言い直しを要求するらしい。
幼いなりにも、お父さんと自分は「かっこいい」。 お母さんと4ケ月の弟は「かわいい」を区別しているというのだ。
「お母さんはかわいいよ。」と面と向かって言われ、嬉しさに顔を赤らめてしまった。成長を願いながらも、「あまり早くお母さんから離れないでね」という文を読んで、こちらまで温かい気持ちになっていた。



娘が小学生の頃だったと思う。 家の前をひとりの男子中学生が通った。
その子は通りすがりに、道端に電線のように引いてある有線放送の線を引っ張り出した。
線が切れたら大変な事になると思った私は、とっさに「何してるの!」と中学生を睨みつけていた。

ところが運悪く、そこを近所のお爺さんが通りがかり、見られてしまった。
おまけに後日、娘に向かって「あんたのお母さんは恐いやろぅ。」と言ったのだ。
でも、娘は「うちのお母さんは1番、やっさしいよ〜。」と平然と答えていた。
私はその「1番やっさしいよ〜」でほっこりとしたのを思い出していた。

孫は、ひととき欄の坊やと同じ年頃の、2才6ケ月。
「かわいい」を覚え、母親はもちろんの事、私にも「かわいい〜」と言ってくれる。覚えた言葉の連発と分かっていても、嬉しいものである。
こんな事を言ってくれるのも、あと何年だろうか・・・




子どものひとことは、思わぬ発見や驚きがあり面白いものである。
だからこそ多忙な子育ての中にも、喜びを感じられるのだろう。
かわいい〜 かっこいい〜 幼い子供の目は天使のようである。

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