姉との語らい

姉から、「同窓会がありそちらへ行くから、実家に泊まらない?」と話があった。 姉は実家から電車で2時間ほど離れた、兵庫県に住んでいる。

実家と言ってもすでに両親は亡くなり、5年ほど前から空き家となっている。 仏壇があるので、月に一度のお参りは近くに住む弟がやって来る。
主なき寂しき家でもある。

鍵を開けて家に入る。
今も両親がいた時の状態で、家具や座布団などがある。
ただ、そこに両親がいないだけ・・・

何故か姉がアルバムを取り出してきた。
懐かしい写真がいっぱい貼ってある。
若い頃の両親や私たち。
写真の中で幸せそうに微笑んでいる。

雑だった母が写真の横に、撮影した日と場所や「前から2列目の右から3番目・赤い服」と、自分が何処に写っているかをマメに書いているのには驚いた。 写真の笑顔を見ていたら、こんな時代もあったんだなぁと遠い昔が懐かしい。

子どもの頃、家族で旅行した写真を見て姉が、
「今から思えばこの時が母さん、一番幸せだったのかも知れないねぇ。」
とつぶやいた。
子どもたちに囲まれ、賑やかに過ごしていた頃だろうか?
それを聞いて、胸がキュンとなった。

我が家も子どもたちは、結婚や就職で家を出ていった。
子どもたちが小さい頃は、4世代7人の大家族。

子育ては大変だったが、あっという間の駆け足だった。
家族で旅行したり送り迎えをしたりと・・・
その時は必死だったが、今から思うと幸せな時間だったのではないだろうか? その時にしかできない経験を、いっぱいさせてもらったように思う。

遠い記憶を自分と照らし合わせて、ふと考えてしまった。


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