忘れんぼ

50才までの私は、忘れ物をしたことがなかった。
「記憶力が良いのは、健康な証拠」とテレビで聞いた時には「確かに私は健康だし・・」と思っていたくらいだ。
ただし勉強以外の生活上のことで、物をしまった場所や人の話・昔のことなど、他人が忘れてしまっていることまで、きちんと覚えているほどだった。

そして電車の中で置き忘れをした話を聞いた時、なぜ、そんな大事な物を忘れるのかが不思議なくらいだった。
絶対自分なら忘れないのに・・・

でもそれはしっかりしているからではなく、子どもの頃に家が貧しくて欲しい物を買って貰えない生活だったので、物に執着していただけなのかもしれない?

ところが50才を過ぎた頃、忘れる事が多くなってきた。
名前を聞いても、後から「何だったけ・・・?」
鍵を置いたら、置き場所が分からない。
極めつけは電車の中に、買ったばかりのおにぎりを忘れてしまったことだ!

その日はハイキングに行く予定で、座席の横に入れた鞄を置き、そのまま降りてしまった。
しばらくしてから気がつき駅員さんに言うと、たまたま終点駅だったので掃除の人が届けて下さっていた。 無事に戻り、遅れずに集合場所へ行け、一件落着となって良かったのだが・・


さらに50代後半にきて、拍車がかかってきた。
今度は忘れたことすら気づかない。

いざ使おうと思って、「ない!」
と、いうことは・・・頭の中で記憶をたどる。

先日は運動しようと思ってシューズバッグを見たら、あるはずの所にない。
探し回ったが見つからないので、忘れてきたのかとジムで尋ねたら、ちゃんと忘れ物として届いていた。

いかんなぁ〜〜

そして忘れ物№1が、帽子である。
脱いだら忘れるのでかぶったままでいるが、脱ぐと忘れてしまう。
幸い上手い具合に見つかることが多いが、気を引き締めなくっちゃと思っている。

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